皆さんから多い質問の一つについて、私なりの意見でお答えをしていきたいと思います。
今回はタイトルにもあるように、
「身体が柔らかいとパフォーマンスが高いのか」についてです。
スポーツで怪我を予防するためにはある程度の柔軟性が大切です。
筋肉や関節が硬すぎると、膝痛や腰痛を招いたり、運動パフォーマンスの低下につながったりします。
そのため、「とにかく体を柔らかくしたい」と考える方が
非常に多いのも事実です。
ですが、時々お話をしていると皆さんが少し勘違いされている部分があるので今回はそちらについて述べていきたいと思います。
よく質問などで、身体は柔らかいのですがケガが多いのですがどうしたら良いですか?と聞かれたりします。
そもそも、「身体が柔らかい」とはどのような状態なのか?

一般的には身体が柔らかい指標とされたりすることが多いのは、
①股関節の開脚がどのくらい開くか
②立位体前屈がどのくらいいくか
などで皆さん判断されている方も多いのではないでしょうか?
では、柔軟性の種類とは?
柔軟性は、大きく2種類に分けられます。
①静的柔軟性 ②動的柔軟性
①静的柔軟性とは、関節の動く範囲のことで、この可動域が広ければ広いほど、身体が柔らかいということになり。
→つまり、皆さんが普段から使っている言葉だと思います。
代表的なもので言えば、スタティックストレッチでの柔らかさですね。
対して、②の動的柔軟性とは、関節の動く範囲内においての動きやすさのことをあらわします。この能力を高めると、素早い動き、しなやかな動きが可能になります。
こちらは、ダイナミックストレッチまたは、プレー中の動きの柔らかさにあたります。
そのため、スポーツの技術をのばしたい場合や、運動能力を向上を考えている人は、②を高めることで、今動かせる可動域で最大限のパフォーマンスをアップさせることが可能になります。
ただし、関節の可動域が高すぎると、かえって怪我をしやすくなる恐れがあります。
これは、先天性の部分も大きく関係していますが、
「関節が緩い」ことを柔軟性だと認識されている方が時々いらっしゃいます。
関節が緩いとは?
関節弛緩性とは身体の柔軟性ではなく、そもそも生まれつき
関節の可動域がある一定の範囲を超えている場合のことを指します。
私自身も反張膝の傾向がありましたが、現役でプレーしていた高校生までは全く知りませんでした。
専門学校で鍼灸やトレーナーの勉強を始めてから知ったくらいですからね、、、(笑)
下記の項目が関節の弛緩性をチェックするものになります。
1項目につき1点(左右あるものは0.5点ずつ)7点満点で計算します。

合計した点数が7点中4点以上の場合は関節弛緩性有り、つまり緩いと判断します。
逆に、0点または1点の人はあまりにも硬いと判断できます、、、(笑)
アスリートにとって関節の可動域は大きいに越したことはありませんが、あまりに大きい場合は正常な範囲を超えている場合があることをしっかりと理解しておいてください。
超えた状態でプレーを行っていると筋肉や靭帯などで身体の制動ができずに「ケガ」にも繋がるリスクが高まります。
関節が緩い人はその制御を行うためには適切な筋力トレーニングをおこなう必要があります。
さて、先ほどまでは「関節」の柔軟性について述べましたが、
もう一方でアスリートの方などは柔軟性に「筋肉」の要素も含まれるのでは?
と考える方もいらっしゃると思います。
人の筋肉の大半は骨と骨をまたいでくっついています。この状態で筋肉を伸ばしたり縮ませたりすることで関節が可動して体が動きます。
これを専門的には「可動性(モビリティ)」といいます。
一方、関節がブラブラと自由に動きすぎると体自体を支えることができないため、関節を保持する機能も必要です。
これを専門的には「安定性(スタビリティ)」といいます。
関節と筋肉は「可動性」と「安定性」の相反する機能を同時に発揮します。この二つの機能のバランスが崩れると怪我につながります。
スポーツにおける筋肉は「安定性」が重要
筋肉は伸び縮みすることで本来の力が発揮されます。
ですので、あまりに硬くがちがちな状態で力を発揮しようとしてもうまくは行きません。
また硬くなった状態で無理に力を発揮してしまうと肉ばなれなども起こりえます。
そのために、一般的には緩めて柔らかい状態を保ちましょうと言われているのです。
私の経験上でも、トップアスリートになるほど筋肉は柔らかいことが多いです。
ですが、一方で筋肉は緩めすぎても力が入らないということも起こります。
私も資格を取り、治療院で働き始めた時に院長などから、翌日に試合がある選手にはあまり緩めすぎてはいけない。適度な緊張を残しておくことが大事だと言われていました。
筋肉はゴムと一緒で伸び切ってしまうと使い物になりません。
ある程度固さが無いと、本番で跳ね返りや瞬発力が生み出せない。
ですが、一般的には筋肉は硬いことがほとんどですのでしっかり緩めておいた方がケガのリスクも減らせますし、疲労も溜まりずらくなると思いますので緩めておくことをおススメします。
筋肉を緩めるにも色々と方法はありますが、私たち日本人は
「入浴」の文化がありますので、そちらをうまく活用すべきだと私は思います。
まとめ
アスリートにとって大事なのは、
①まずは自分自身の関節が緩いのかどうかを知ること。
②動的な可動域を確保するためにも、静的な可動域を向上させる。
③そのためにも、関節の動きに必要な筋肉を理解して、鍛えてあげること。
④筋肉の発揮するためにも、ある程度は緩めておくこと。
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