スポーツにおいて、ボールの動きに瞬時に反応する、相手の動きに対応して一瞬で駆け抜けていくなどの「スピード(アジリティも含む)」は必要不可欠な要素となります。
一流と言われる選手は、卓越した技術+スピードの両方を兼ね備えていることがほとんどになります。
ですので、スポーツで必要な「スピード」を身につけていくことは、パフォーマンスの向上に大きな意味を持つことになります。
そこで、今回はスピードを向上させる部分について色々と考えていきたいと思います。
そもそもスピードには2種類あります。
①スピード(スプリント)・・・50m走などの方向転換のない直線的な距離を最高速度で移動する動作
②アジリティ・・・加速や減速、方向転換などの動きをできる限り効率よく素早く行う動作
この2つの要素を高めることが高いパフォーマンスを発揮するには必要になってきます。
さて、前置きが長くなってしまいましたが、ここからが今回の本題になります。
皆さんも、ご自身のプレーされているスポーツの競技の特性上、
直線的なスピードの能力を向上させるよりも、アジリティの要素を高めることが競技力の向上に繋がると考えている方が多いですよね。
ですので、皆さんからも
「スピード(アジリティ)を向上するにはどうしたら良いのか?」
という質問が圧倒的に多いです。
この質問をたくさん受けるにあたって皆さんに共通することがあります。
それは、一歩目の動き出しのスピードの向上やターンからの動き出し速さなどの「動く技術を高める(0→100の力発揮を高める)」方向ばかりに
目を向けている方がほとんどだということ。
もちろんその視点が間違いだとは思いません。
①基礎筋力
②最大筋力(パワー)
③スキルの向上
④リアクション(認知/判断)の向上
このようなを要因を1つずつ地道に獲得、向上させていくのが最も早い方法になると思います。
ですが、今回はあえてアジリティの向上を違う側面から考えてみるとにしたいと思います。
あえて別の見方にも目を向けてみる

ここで、皆さんに面白い文章をご紹介させていただきます。
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アメリカのハリウッドのミュージカル映画を牽引した方のお話になります。
(本文参照)
私はある時、ダンスとは動く技術ではなく、「止める技術」だと考えた。
そして、その「止める」という基礎を徹底的に研究しつくした。
その練習を積み重ねた結果、何度踊ってもイメージ通りの狂いのないダンスの演技ができるようになった。一部略・・・
きちんと止める技術を究めたからこそ、自由に動く技術が高まった。
どうですか?非常に興味深い文章ではないでしょうか?
私はこの考えはスポーツにおいても共通する部分だと強く思っています。
特にサッカーの場合は、ボールと相手の動きに対して目まぐるしく対応する必要があります。
そこで、重要となってくるのがやはり「止まる動作」だと私は考えます。
下記の3つのリンク先を参照してもらうとその重要性がより理解しやすいと思います。
フランス代表のステップトレーニングの風景。
特に注目して欲しいのが、現在世界でもNo.1守備的MFとも言われているカンテ(Chelsea)選手の止まる・減速の動きはもはや芸術の域。
他の選手もトップクラスの選手ですが、その中でも群を抜いて止まる・減速→加速が上手いですよね。 pic.twitter.com/Pzxu1FgDXs— 奥村正樹(スポーツトレーナー/physiotherapist) (@Masa19901) 2017年11月20日
止まる動作で大事なポイントは、身体から離れた位置に足を着くこと。
セルヒオ・ラモス選手の足の運びに注目してください。
進行方向(目的地)よりも先に足をついてその上に身体を運んでくるので、バランスが崩れずにピタッと止まれる。
そして、接地してからの股関節の使い方があまりにも秀逸すぎる pic.twitter.com/OvFc9GfnWX— 奥村正樹(スポーツトレーナー/physiotherapist) (@Masa19901) 2018年8月26日
ジョコビッチ選手のバックハンドの際の微動だにしない安定した下半身。
踏み込んだ足が一切ブレないから上体が安定して綺麗に回旋ができる。股関節で生んだパワーを上手に末端に伝えるのは大事。pic.twitter.com/8uhiI0pyUn
— 奥村正樹(スポーツトレーナー/physiotherapist) (@Masa19901) 2018年11月1日
世界でも屈指のアスリートである3人の動きに共通するする部分は、
やはりきちんと「止まれる」こと。
やはりきちんと「止まれる」こと。
身体を常に安定した位置に止める(コントロール)できるからこそ、次の動きや相手の不意な動きに咄嗟に対応、またはスムーズに移行ができるのだと思います。
安定した状態からでないと、せっかく持っている瞬発力(パワー)なども本来の力を発揮することは難しくなります。
ジョコビッチ選手の動画をご覧になってもらうとよくわかりますが、目的地で止まることで、常に安定した下半身の土台を維持することで、上半身が走るように使えるようになり、ショットの安定感、そして力強い打球を可能にしていくのです。
また、止まれる能力は選手生命にも大きく関わってきます。
スポーツにおいてケガをするシーンで多いのが、止まろうとした際の姿勢が悪かったなどで踏ん張りがうまくいかなくて崩れてしまって、膝周りの大ケガを負うことです。
ですので、膝周りの大ケガをした選手などはお分かりになると思いますが、そのような選手のリハビリで最終的に一番重点を置かれるのもこの部分になります。
この部分を疎かにして、焦って早く復帰してしまうと、再受傷のリスクが非常に高まります。
止まる技術のに関しては、以前アスリートコレクションさんに投稿させてもらったこちらの記事をご参照ください。
【ケガの予防・パフォーマンス向上】
怪物イブラヒモビッチ実践「止まる動作」の基礎を作ろう
https://www.athlete-collection.com/soccer-training/athletic-ability/zlatan-training-bosh/
まとめ
一般的に、アジリティを高める=動きを高めてキレを出す
ですが、動きの出力を高めるにはそれなりの準備が必要になります。
スピードを上げる要素でも述べましたが、筋力の向上なども不可欠です。
ですが、それはすぐに身につけられるものではありません。
それなりの時間と地道に継続する必要があります。
そこで、あえて自分自身の止まることを磨く、見直すことでも動きのキレは向上するはずです。
むしろ、安定して身体を定位置でピタリと止められれば、次の動作の準備も完了していますし、動作は速くなるはずです。
最近プレーで悩んでいる人などは、一度この部分を動画などで撮影し見直してみるのも大事だと思います!!
動作についてのおすすめ文献
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